犯人を捜さない離島密室ミステリ!?夕木春央 「十戒」読了レビュー!

夕木春央

皆様、おはこんばんちは!ノミヤです!

世の中ではゴールデンウィークを迎え、ゆっくり休まれている方も多いのではないでしょうか・・・?もしかしたらこの機会に離島へバカンスに行く方もいるかもしれません!

そんなあなたに離島で巻き起こる密室殺人ミステリー、夕木春央先生の「十戒」をご紹介したいと思います!

書籍情報&あらすじ

<タイトル>十戒(じっかい)

<著者>夕木春央

<あらすじ>

浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

『方舟』夕木春央の傑作が待望の文庫化!週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)、国内部門&MRC大賞2022など4冠、累計40万部突破、、、、世の読書子を唸らせた『方舟』の衝撃が再び……!

https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000417234

読了しての感想

前作「方舟」に続く離島が舞台のクローズドミステリーである今作。前評判では”絶対に「方舟」を見てから読め!”とのことでした。

読了した私が断言します!絶対に「方舟」を読んでからにしてください!マジで!!

本題に戻りますが、今作では離島が舞台となっています。ミステリー小説といえば、「犯人捜し」ですが、今作ではなんと「犯人を捜してはいけない」という驚愕の設定があります。そこに驚き、意識がそちらに向かう読者ほど、著者 夕木春央先生の術中にハマっているんだなと思います。私です。

ラストの展開には度肝を抜かれること間違いなしです。「方舟」を読了した後、読むほどその破壊力は増すと思います。人の業って恐ろしいものなんだなと、「方舟」読了後に感じたあの血の気が引く怖さを再度体験できますよ・・・!

今月はいよいよ最新作「楽園」の発売ですね!発売前に重版という高まりぶり、首を長くして待っております。

豆知識コーナー:「十戒」って何?

じっ‐かい【十戒・十誡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 十戒 ) 仏語。仏道修行上、守らなければならない一〇の規律。
    1.  沙彌、沙彌尼の受持する十戒。不殺生、不偸盗(ふちゅうとう)、不淫、不妄語、不飲酒(ふおんじゅ)、不塗飾香鬘、不歌舞観聴、不坐高広牀、不非時食、不蓄金銀宝の一〇。普通、沙彌十戒という。沙彌戒。
      1. [初出の実例]「槇尾(まきのを)の山寺に頭を剃て十戒を授く」(出典:今昔物語集(1120頃)一一)
    2.  「じゅうぜんかい(十善戒)」の略。
      1. [初出の実例]「なかにも、わかうより、十戒のなかに、妄語をばたもちて侍る身なればこそ、かくいのちをばたもたれて候へ」(出典:大鏡(12C前)六)
    3.  ( 「じゅうじゅうきんかい(十重禁戒)」の略 ) =じゅうじゅうきん(十重禁)
  3. [ 二 ] ( [英語] Decalogue, Ten Commandments の訳語 ) キリスト教で、旧約聖書に記された一〇か条の啓示。神がシナイ山の頂上でモーゼに与えたという。「我の他何ものをも神とすべからず」、「偶像を造りてこれを拝すべからず」、「安息日を憶えてこれを聖潔(きよく)すべし」のほか、殺人、姦淫、盗み、偽証、貪欲などを戒めている。モーゼの十戒。
    1. [初出の実例]「ヱホバその契約の詞なる十誡(ジッカイ)をかの板の上に書したまへり」(出典:旧約全書(1888)出埃及記)
https://kotobank.jp/word/%E5%8D%81%E6%88%92-73945

考察(※未読の方はネタバレ注意※)

元ネタの十戒に基づく神の立ち位置にいるのは”麻衣”なのか?

前作の「方舟」に続き、宗教要素が元ネタになっている今作「十戒」。実際の十戒では「我の他何ものをも神とすべからず」と定められています。そして今作では「この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない」と記されていますよね。神≒殺人犯とするなら、離島内における心理掌握、関係者の生殺与奪を握る麻衣は「他者の介入を許さない神そのもの」なのではないでしょうか・・・?

「方舟」読了した方は知っているかもしれませんが、彼女は自身の幸せを得るために地下建築にて罪を犯しました。そして今回離島にて事件に巻き込まれる訳です。もし何かの間違いで彼女の素性、過去の罪が暴かれてしまったらそれこそ一巻の終わりです。

つまり彼女の人生を、進む道を邪魔する要因は徹底的に排除しなくてはなりません。そこで今作では計画的に殺人を行い、島を爆破したのではないでしょうか?そう、1つの綻びも許すわけにはいきません。彼女の真実に辿り着く要因はすべて消えるのです。

前述した十戒における「神」、今作における「殺人犯」。”神”としてすべてを主導した上で”殺人犯”として背くものには裁きを加えるわけです。それが麻衣なのです。

以上、「十戒」読了後のレビューでした。

口を酸っぱくして言いますが、絶対に「方舟」を読んでから読みましょう!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!ノミヤでした(@^^)/~~~

コメント

タイトルとURLをコピーしました